訓練日誌

-本日のアジェンダ-

 

1限目
学科 生成AI基礎①
生成AI学習に向けて

2限目
学科 生成AI基礎①
生成AIのはじまりとこれから

3限目
学科 生成AI基礎①
プロンプトについて

4限目
学科 生成AI基礎①
課題制作

5限目
学科 生成AI基礎①
課題制作

 


 

生成AIの歴史と未来

未来を知るには歴史から

1.AIの黎明期(1950年代 – 1970年代)

チューリングテスト(1950年):
アラン・チューリングが提唱したチューリングテストは、「機械が人間と区別がつかないレベルの会話ができるかどうか」を判定するテストで、AIの知性の基準として広く知られている。
これは、生成AIの目標の一つである「人間らしい出力」の概念の原点とも言える。

 
ダートマス会議(1956年):
ジョン・マッカーシーが「人工知能」という言葉を提唱し、AI研究が本格的にスタート。
この時期は、記号処理や探索・推論といった手法が中心。
初期のAI研究では、チェスや将棋といったゲームで人間に勝つプログラムなどが開発。

 
ELIZA「エリザ」(1966年):
ジョセフ・ワイゼンバウムが開発したELIZAは、簡単な自然言語処理を用いて人間と対話するプログラム。
特定のキーワードに反応して事前に用意された文章を返すという単純な仕組みだったが、人間らしい会話をシミュレートする試みとして注目を集めた。

 

2.AIの冬の時代(1970年代 – 1990年代)

初期のAI研究に対する過度な期待と、当時の計算機能力の限界から、AI研究は一時停滞期に入る。
この時期は、「AIの冬」と呼ばれている。

 

3.機械学習の発展(1980年代 – 2010年代)

機械学習、特に統計的手法に基づく研究が活発化。
データから学習することで、より複雑なタスクをこなせるAIが登場し始めた。

ニューラルネットワークの再評価:

1980年代後半から、バックプロパゲーションなどのアルゴリズムの発展により、ニューラルネットワークが再び注目を集めるようになった。

 

4.ディープラーニングの登場と生成AIの隆盛(2010年代 – 現在)

ディープラーニングのブレイクスルー:

2010年代に入り、ディープラーニング(深層学習)が画像認識や自然言語処理などの分野で圧倒的な性能を発揮し、AIは第三次ブームを迎える。

GAN「ガン」(敵対的生成ネットワーク)(2014年):

イアン・グッドフェローらが提案したGANは、2つのニューラルネットワーク(生成器と識別器)を競わせることで、本物に近いデータを生成する手法。

GANの登場は、生成AIの分野に大きなインパクトを与えた。
画像生成、文章生成、音楽生成など、様々な分野で応用されている。

VAE「ブイエーイー」(変分オートエンコーダ):

GANと並んで、生成モデルの重要な手法です。
データの特徴を潜在変数にエンコードし、そこからデータを生成。

 

Transformer「トランスフォーマー」モデル(2017年):

Googleが開発したTransformerモデルは、自然言語処理の分野で大きな進歩をもたらした。

従来のRNN(Recurrent NeuralNetwork)に比べて並列処理が可能になり、大規模なデータセットの学習が効率的に行えるようになった。

大規模言語モデル(LLM)の登場:

TransformerモデルをベースにしたBERT、GPTなどの大規模言語モデルが登場し、自然言語生成の精度が飛躍的に向上。
特に、GPT-3やその後のモデルは、人間と区別がつかないような自然な文章を生成することで、大きな話題となった。

拡散モデル:

近年、画像生成の分野で注目を集めているのが拡散モデル。ノイズを加える過程を逆再生することで、高品質な画像を生成。

 

5.生成AIの現在と未来

現在、生成AIは画像、テキスト、音楽、動画など、様々な分野で活用。

 

孫正義とAGI

1.AGIへの強い期待と確信

孫正義氏は、公の場でAGIについて頻繁に言及しており、その実現を確信していることを表明。
特に、ソフトバンクグループのイベント「SoftBank World」などでは、AGIに関する講演を行い、聴衆にその重要性を訴えている。

 

2.AGIの定義と将来像

孫氏は、AGIを「人間の知能と同等以上の知能を持つAI」と定義しており、人間のあらゆる知的活動をAIが代替できるようになる未来を描いている。
さらに、AGIは自己意識を持つ可能性についても言及しており、AIが単なるツールではなく、人間のパートナーやメンターになる未来を想像。

 

3.ASI(人工超知能)への言及

孫氏は、AGIのさらに先にあるASI(Artificial Super Intelligence、人工超知能)についても言及。
ASIは、人間の知能を遥かに超える知能を持つAIであり、人類の叡智の総和の数万倍、あるいはそれ以上になるとされている。
孫氏は、ASIが10年以内に実現する可能性があると述べており、その到来に備える必要性を強調している。

 

4.人間の脳との比較

孫氏は、人間の脳のシナプス数(約100兆個)とAIのパラメータ数を比較し、AIの進化のスピードを強調している。
人間の脳のシナプス数は過去20万年間変わっていない一方で、AIのパラメータ数は指数関数的に増加しており、近い将来、AIが人間の脳を超えることは明らかだと述べている。

 

5.情報革命の進化

孫氏は、過去のインターネット革命や携帯電話革命と同様に、AGIの実現を情報革命の新たな段階と捉えている。
AGIは、社会のあらゆる分野に大きな変革をもたらし、人々の生活や働き方を根本から変える可能性があると考えている。

 

6.日本へのメッセージ

孫氏は、AGIの時代において、日本が世界に後れを取らないように警鐘を鳴らしている。
日本は、技術力やデータ活用において遅れをとっている部分があり、AGI時代に向けて早急な対応が必要だと訴えている。

 

7.AI倫理への言及

孫氏は、AGIの可能性を強調する一方で、その倫理的な側面についても言及している。
AIが人間の仕事を奪う可能性や、悪用されるリスクについて懸念を表明しており、AIの開発と規制に関する議論の重要性を訴えている。

 

8.ソフトバンクグループのAI戦略との関連

ソフトバンクグループは、Arm 「アーム」の買収などを通じて、AI半導体分野に積極的に投資している。
これは、AGIの実現に不可欠な計算基盤を強化する戦略と見ることができる。
また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じて、AI関連企業に幅広く投資しており、AGI関連技術の発展を支援していると言える。

 

AIとAGIの違いとは?

AI(人工知能)の特徴

特化型知能: 特定のタスクや問題解決に特化して設計されている。
例えば、画像認識、音声認識、自然言語処理、ゲームのプレイなど、特定の分野で高い性能を発揮。
学習データ依存: 与えられた学習データに基づいて学習し、その範囲内でしか能力を発揮できない。
学習データにない状況や新しい問題には対応できないことが多い。
例: 画像認識AIは、大量の画像データから学習し、画像に写っている物体を認識できますが、文章を理解したり、音楽を作曲したりすることはできない。
AGI(汎用人工知能)の特徴
汎用的な知能: 人間のように幅広い分野で知的な活動を行うことができる。
学習、推論、問題解決、計画立案、創造など、多様な認知能力を持つ。
未知の状況への適応: 未知の状況や新しい問題に対しても、自ら学習し、適応して解決策を見つけることができる。
人間との類似性: 人間の知能に近づくことを目指しており、人間のような柔軟性、創造性、常識などを備えているとされている。
例: AGIは、文章を理解し、音楽を作曲し、絵を描き、科学的な発見をし、人間と自然な会話をすることができると想定されている。

AGIとChatGPTの関係

ChatGPTは、大規模言語モデルと呼ばれるAIの一種で、
自然な文章生成能力を持っている。
しかし、ChatGPTはあくまで特定のタスク(文章生成)に特化したAIであり、AGIではない。
ChatGPTは、与えられたデータに基づいて文章を生成することはできるが、未知の状況に自ら適応したり、人間のような創造性や常識に基づいて行動したりすることはできない。


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