-第五人格 公式Discordイラストコンテスト 応募作品-

制作期間:2023年11月9日〜11月26日
使用ツール:CLIP STUDIO PAINT

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』と、CLAMP原作の『xxxHOLiC』との公式コラボイベントに合わせて制作したファンアートで、11月のイラストコンテストに応募した作品です。両作品の世界観とビジュアルスタイルを融合させることを主眼に置き、構成・質感・演出を設計しました。

  • 世界観の融合とビジュアル解釈
    『xxxHOLiC』の持つ幻想的で和風ホラー的な雰囲気と、『第五人格』特有のゴシックで不穏な世界観とを融合。原作キャラクターの特徴を尊重しつつも、第五人格のゲーム設定に基づく要素(人形化された表現、目や綿、浮遊感など)を盛り込み、両作品の間で破綻しないビジュアルバランスを意識しました。
  • 描画技法と質感表現
    塗りは厚塗りで仕上げ、質感に重厚感と物語性を持たせました。特に布や髪の流れ、光沢のある部位においては陰影に深みを加えることで、リアリティと演出力を強調しています。
  • 構図と視線誘導
    画面手前から奥に向かって逃走する構図を採用することで、奥行きと緊張感を演出。キャラクターごとに明度差をつけ、全体の空間演出を崩さずに各キャラに視線が自然と流れるよう配慮しました。また、光源は中間からやや上方に設定し、画面の動きと心理的緊張を補強しています。
  • カラー設計
    第五人格のダークな世界観に寄せつつも、視認性とキャラクターの魅力を損なわないよう、色調はやや明るめに調整。これにより、ポスター的な力強さと鑑賞性の高さを両立しています。

 

制作期間: 2024年2月4日〜2月28日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場する新キャラクター「人形師」をモチーフにしたファンアートで、2月のイラストコンテストに向けて制作した作品です。初登場時の衣装デザインとキャラクター性をビジュアル面で再構築し、物語性と存在感のある一枚を目指しました。

  • キャラクター解釈と表現意図:
    人形師という設定に基づき、「生きた人形」としての不気味さと美しさを同居させることをコンセプトに制作。特に目元には“生気のない視線”を与えることで、感情を読み取りにくい人形らしさを演出しています。全体的に白を基調とした配色とすることで、虚無感や非現実的な雰囲気を際立たせました。
  • 影表現と立体感の構築:
    本作では、影の描写に重点を置き、特に「二人分の影」が交差するような構図とライティングにより、人形である彼女の存在がより印象的に感じられるよう工夫しました。フェードブラシを使用し、繊細なグラデーションを重ねることで、静けさの中に奥行きを持たせています。
  • 構図と空気感の演出:
    構図は静止したポーズながら、内面的な物語性が感じられるように設計。衣装の流れや髪の動きなど細部の表現を丁寧に描き込み、キャラクターが静かに立っているだけで、彼女の背景や役割が伝わるよう心がけました。光源は低めに設定し、影とのコントラストを高めて立体感と幻想性を強調しています。
  • カラー設計と質感:
    彩度を抑えたホワイト〜グレー系の色設計を採用し、素材の冷たさや無機質な雰囲気を表現。ブラシの選定と塗り重ねにより、マットな質感と柔らかい陰影の両立を図りました。衣装の質感や肌の描き分けにも細心の注意を払い、物語性を視覚的に補強しています。

制作期間: 2024年3月20日〜4月1日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT

コンテスト:1等賞

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場する「画家」のキャラクターをモチーフにしたファンアートです。4月のキャラクター誕生日を記念したイラストとして制作し、ゲーム内の設定や行動モーションをもとに、オリジナルの解釈を加えて表現しました。

  • キャラクター解釈とビジュアルアレンジ:
  • 本キャラクターは、戦闘中に額縁を掲げ絵を描くという特性を持つため、そのビジュアル要素を起点に、絵具と一体化するような演出を意識しました。特に「服が絵の具に変化していく」というアイデアを軸にし、身体全体がキャンバスとなるような造形表現に挑戦しています。
  • 演出と動きの設計:
    絵具が額縁から流れ出し、キャラクターの身体に沿って流動的に広がる様子を描写。装飾品や衣装の一部を重力に逆らうように“浮かせる”ことで、現実離れした幻想的な空気感を演出しました。静止画でありながら、動きや筆致のダイナミズムを感じられる構図を追求しています。
  • 構図と視線誘導:
    画面中央に配置された額縁から視線が流れ出すよう、絵具の動きや色彩の流れで視線誘導をコントロール。背景や余白を抑えることで、キャラクターの姿勢や色彩表現に集中できる構図設計としました。色と形のリズムを意識し、画面全体に躍動感と詩的な印象を与えています。
  • カラー設計と質感表現:
    色彩は多彩ながらも、色同士のにじみや重なりにより調和を生み、絵具特有の濃淡や流動性を再現。フェードブラシを用いて、絵具の揺らぎや透明感を柔らかく表現しました。全体を通して「描く」ことのエネルギーと儚さを両立させたビジュアル表現を目指しました。

 

制作期間: 2024年9月23日〜10月18日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場する「騎士」キャラクターの実装を記念して制作したファンアートです。ゲーム内で描かれる「姉への強い愛情」というキャラクター性を主軸に、視覚的演出により内面の異常性と神秘性を表現しました。

  • キャラクター解釈と演出意図:
    本キャラクターは姉への異常な執着を持つ人物として描かれており、その内面性を視覚的に象徴するモチーフとして「ベール」を採用。姉のビジュアルがゲーム内で明かされていない設定を尊重しつつ、姉に向けた純粋かつ歪んだ想いを、覆い隠すという行為で象徴的に描いています。
  • 視線と表情の操作:
    目元を髪で隠すことで感情の読み取りを意図的に妨げ、ミステリアスで冷静な外見と、内面に抱える狂気のコントラストを演出。視線をあえて画面外へ逃がすことで、「見えないものへの執着」や「対話不能な愛情」といったテーマ性を強調しています。
  • 構図と空気感の設計:構図は静的でありながらも緊張感を内包するように設計。ポーズは抑制された動きとしつつ、ベールや衣装の柔らかい動きにより空気感と情緒を加味しました。背景は簡潔にとどめ、キャラクターの存在感が際立つよう配慮しています。
  • カラー設計と質感表現:
    全体の色調は低彩度に抑え、静謐さと重厚感を両立。髪や衣装、ベールの透明感にはフェードブラシを活用し、柔らかくも不穏な印象を与えています。陰影においては、心情の深淵を暗示するような深いグラデーションを意識し、視覚的な語りを強化しました。

 

制作期間: 2024年10月19日〜11月9日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクター「元・曲芸師」の実装を記念して制作したファンアートです。かつて観客を魅了した明るさを持ちながら、現在は鬼(ハンター)として暗い運命を背負うという、複雑な二面性に焦点を当てた表現を試みました。

  • キャラクター解釈とビジュアルテーマ:
    このキャラクターは、表面的には明るく無邪気な印象を与えつつ、その内側には深い闇を抱えています。そうした二面性を視覚的に表現するため、ゲーム内で登場するアイテムを手に持たせ、飛び跳ねるような動きを取り入れることで「明るさ・軽快さ」を演出。一方で、背景を深い黒で構成し、キャラクターの上方から差し込む光によって、抑圧された内面や孤独感を象徴的に描きました。
  • 構図と演出の工夫:
    構図はキャラクターの動きに合わせて斜めのダイナミズムを持たせつつ、光と影のコントラストで視線をコントロール。明るい部分には躍動感を、暗い背景には沈黙と不安を持たせることで、作品全体に“心の揺らぎ”を感じさせる演出としました。
  • 光と質感の表現:
    フェードブラシを使用し、上から降り注ぐ光がキャラクターの肌や衣装に柔らかく反射するように描写。動きのある衣装表現と陰影の緩急をつけることで、リアルさと幻想性の中間を狙いました。特にキャラクターの「明るさと影のバランス」が伝わるよう、光源とその影響範囲の設計に細心の注意を払っています。
  • カラー設計と感情の可視化:
    色彩は全体的に明るめの配色を基調にしながら、背景とのコントラストで内面の暗さを補強。目立つ色はあえて光が当たる範囲に限定し、感情の明暗を光と色の強弱で表現しました。これにより、見る者に“明るく振る舞うキャラクターの裏側”を想起させるビジュアル構成となっています。

本作は、単なる「キャラクターの再現」ではなく、表に見えるキャラクター性とその裏にある心理的背景を視覚的に融合させた一枚として制作しました。


 

制作期間: 2024年11月18日〜11月28日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクター「男性患者」と「女性心理学者」の新規衣装実装を記念して制作したファンアートです。衣装のテーマが『ロミオとジュリエット』に基づいていることを受け、原作の雰囲気と背景をリサーチし、そこからインスピレーションを得て構成しました。

  • キャラクター設定と演出意図:
    この二人はゲーム内で「公式カップル」として設定されており、本作ではその関係性を軸に、密会のワンシーンをビジュアル化。『ロミオとジュリエット』の原作を踏まえた上で、劇中の“静かに惹かれ合う瞬間”を再現するように構図と空気感を設計しました。
  • 構図と視線誘導:
    構図は、画面左右に配置した草木で視界を限定し、中央に二人の出会いの瞬間を浮かび上がらせる設計としています。この「囲まれた構造」により、観る側に“誰にも見られてはいけない密会”という緊張感を自然と感じさせる構成としました。また、キャラクターの視線とポージングにより、互いの関係性と感情の繊細な距離感を演出しています。
  • ライティングと質感表現:
    光源は主に中央に集約させ、周囲の草木はやや暗く処理することで、視線が自然に二人へと集まるよう調整。フェードブラシで草木の柔らかな質感と、キャラクターの衣装や肌の繊細な陰影を描き分け、舞台の一幕のような静けさと詩的な雰囲気を演出しました。
  • カラー設計と情緒表現:
    色彩はやや温かみのあるトーンを基調とし、夜の中にも柔らかな希望が差し込むようなバランスを意識。衣装の色はゲームの公式デザインに準拠しつつも、背景と馴染ませるよう彩度や明度を微調整し、作品全体に調和とストーリーテリングの要素をもたせました。

この作品では、キャラクターの「関係性」と「原作モチーフ」を丁寧に噛み砕き、一枚絵の中に物語の瞬間を切り取る演出を重視しました。


 

制作期間: 2024年12月27日〜2025年1月1日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT
コンテスト:1等賞

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクター「記者」の新規衣装実装を記念して制作したファンアートです。今回の衣装テーマが『不思議の国のアリス』であることから、幻想的かつ装飾性の高い衣装の魅力を最大限に引き出すことを目的に構図と演出を設計しました。

  • 衣装表現と構図設計:
    特に衣装の作り込みが際立っているデザインだったため、衣装全体が視界に入るよう上からの俯瞰構図を採用。キャラクターがスカートを広げるようなポーズを取ることで、自然に衣装のディテールへ視線が誘導される構成としました。俯瞰視点により、立体感と衣装の広がりが強調され、ビジュアルとしてのインパクトも意識しています。
  • 演出と空間設計:
    本作では、あえて背景や余計な小道具を排除し、キャラクター本体とそのアイテム(記者としての道具)にフォーカスする構成としました。これにより、衣装のライン・模様・質感が視覚的に際立つよう調整。装飾性の高いテーマに対して、空間演出はミニマルに抑えることで、衣装自体の物語性を強調しました。
  • 質感表現と描写技法:
    フェードブラシを用いて、布地の柔らかさや光の当たり方による陰影を丁寧に描写。特にスカートのドレープや縁飾り部分には手数を多くかけ、細部まで質感が伝わるよう意識しています。上からの光源を設定し、自然な立体感と視線誘導を両立させました。
  • カラー設計と印象づけ:
    色彩は衣装デザインに忠実に沿いながらも、キャラクターの存在が際立つよう、背景は落ち着いた色味で調整。全体としては清潔感と幻想性を両立させ、衣装の繊細さとキャラクターの世界観が調和するよう意識しました。

この作品は、「衣装を魅せる」ことを第一目的とした構図と演出設計を軸に制作しており、ビジュアルプレゼンテーションの考え方を活かした一枚となっています。


 

制作期間: 2025年01月10日〜2025年02月01日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT
コンテスト:1等賞

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクター「祭司(さいし)」の誕生日を記念して制作したファンアートです。ゲーム公式PVで描かれていた彼女の佇まいや強さに着目し、その印象を自分なりに再構成した一枚となっています。

  • 演出意図とキャラクター解釈:
    公式PVにおいて、祭司は背後から迫る脅威にも動じず、力強さで描かれており、その「揺るがない強さ」や「精神的な余裕」に魅力を感じました。本作では、階段の奥から公式に登場する謎の存在が迫る構図を用い、それに背を向ける祭祀を描くことで、“恐れを見せない強さ”を視覚的に表現しました。
  • 構図と心理的演出:
    キャラクターを画面中央やや手前に配置し、奥から迫る存在感を持つ敵影との対比により、静と動のコントラストを演出。背を向ける姿勢には“あえて敵を見ない余裕”を込めており、視線や表情に頼らずともキャラクターの余裕さを意識しました。

  

制作期間: 2025年03月17日〜2025年04月01日
使用ツール: CLIP STUDIO PAINT
コンテスト:2等賞

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクターたちの新規衣装(「不思議の国のアリス × ザクロ」)実装を記念して制作したファンアートです。アリスモチーフにおける「サイズ変化」や、PVで登場する装飾・食べ物のビジュアル要素をもとに、構図と世界観を再構成しました。

  • 構図とコンセプト設計:
    『不思議の国のアリス』で印象的な「身体が小さくなる」という要素を視覚的に強調するため、少女キャラクターをティーカップの中に収める構図を採用。これにより、ファンタジー的なスケール感と、テーマに基づいた可愛らしさ・不思議さを両立しています。また、衣装テーマである「ザクロ」も意識し、色や装飾の選定に慎重を期しました。
  • 演出とビジュアル要素:
    公式PVに登場する小道具や食べ物の質感・配置を観察し、イラスト内のアイテムデザインや背景要素に反映。キャラクターの個性が引き立つよう、ミニキャラ化されたタコや気象予報士の要素も添える形でバランスを調整し、全体として童話の一幕のようなビジュアルシーンを構築しました。
  • 質感と描写技法:
    フェードブラシを使用し、陶器の質感や果実の艶、布の柔らかさを丁寧に描き分けることで、ミニチュア的な世界観にリアリティを付加。光源はやや斜め上からの自然光とし、キャラクターと小物に立体感を与えることで、可愛らしさの中にも緻密さと空間性を演出しました。
  • カラー設計と印象付け:
    「ザクロ」の赤を中心に、鮮やかな果実色をベースにした配色設計としつつ、ティーカップや小道具との調和を図るため、彩度と明度にメリハリをつけました。アリスモチーフにありがちな“絵本的カラフルさ”を保ちつつ、キャラクターが埋もれないよう色の分布と視線の誘導に注意を払いました。

この作品では、原作モチーフの文脈を活かしながら「サイズ・空間・装飾」など複数のビジュアル要素を融合させ、世界観そのものを表現することを意識して制作しています。


 

制作期間:2025年06月10日〜2025年06月29日
使用ツール:CLIP STUDIO PAINT
コンテスト:1等賞

本作は、スマートフォンアプリ『第五人格(Identity V)』に登場するキャラクターの新規衣装実装を記念して制作したファンアートです。ゲーム内シナリオにおいて、描かれている二人は“同一人物”という設定が存在するため、仕草や雰囲気の統一を重視し制作しました。

・構図とコンセプト設計
納棺師という職業と、黒い衣装のキャラクター「キャッツアイ」が持つ“謎の存在”としての性質を表現しています。青みがかった夜の光を用いて、静寂と神秘性の両立を意識し、建物の中というシンプルな舞台設定で空間の集中力を高めています。

・演出とビジュアル要素
密会のような静かな空気感を演出するため、人物以外の情報量を抑え、視線の集中を図りました。納棺師にとって重要なアイテムである「棺桶」は画面の端にさりげなく配置し、物語背景を静かに示唆する形にしています。

・質感と描写技法
フェードブラシや乗算レイヤーを使用し、衣装の金属・布の質感、髪の艶、猫の柔らかさなどを丁寧に描き分けました。反射光の扱いに注力し、視線の奥行きと空気感を高めることで、静寂の中にも物語性を感じさせる画面構成としています。

・カラー設計と印象付け
夜の静けさを表す寒色を基調にしながらも、キャラクターの印象が埋もれないよう彩度と明度のバランスを調整。小道具や衣装の金属パーツにさりげない差し色を入れることで視線を誘導し、単調にならないよう配慮しました。青の中にも柔らかな光のニュアンスを持たせることで、感情と空気の余韻が残るように構成しています。

この作品では、「静けさの中に何が存在しているのか」といった物語性と余白を重視し、鑑賞者が想像を広げられるような表現を心がけました。